モリンチュ  矢守忠彦です。

この間、劇団の解散公演というものを観に行ってきた。

以前お世話になった女優さん、先輩ですがとてもかわいらしく華のあるお方。
演技にケチをつけたり、あれこれ考えながら舞台を観るのが好きな僕ですが
好きすぎて、出てくるだけでニコニコしてしまう。そんな女優さんは今のところ二人ぐらいしかいない。

その女優さんの所属している劇団の解散公演だ。

プロデュース公演で共演してから、番外公演なるものは何度か拝見した。
「来年、本公演やるんです。」
僕は、「必ず観に行きます。」こう告げていた。

それから、昨年末から事情シリーズで忙しくしていたが、その時にその劇団が解散するという事を聞いた。
驚いた。正直裏事情がそうなっているかは知る由もない。

僕も劇団にいたことがあったからいい事も悪い事もたくさんあるというのは想像できる。
人と人だ。

事情シリーズを始めて決めた事は、観に来て欲しいから観に行くというのをやめる事。
うちの舞台に出てくれた人の舞台は出来るだけ観るようにはしている。感謝してもしきれないし、他のところではどんなお芝居をするのか?
勉強を兼ねてだ。
それ以外は、自分の観たい舞台と応援したい仲間の舞台をすすんでみるようにしている。

それでもなかなかお金も効率的に稼いでいるわけではないのでなかなかハードなのだが。

話は戻って、今回の舞台である。
ずっと約束していた。必ず観に行こうと。
でも執筆が遅れていたり忙しく、経済的なものから諦めようとも考えた。

しかし解散公演なのだ。次はない。
初めて生で観る解散公演。しかも10年オーバーのずっと続けてきた劇団。
それの最後の端っこに出会う事ができた。

舞台はいつだって次はない。そのことをもう一度考え直して、足を運んだ。

解散公演ってどんなスタンスなんだろう?
観た舞台はとても前向きで、明るいしかも作られた明るさではない、心を感じた。

素晴らしかった。
内容や技術は分からない。しかし、得難い、そうそうに学び難い心がそこにあった。

観に来て良かった。いつもは舞台を観終わるとそそくさと帰ろうと思うが、
今回だけはどうしても伝えたかった。

観に来てよかった。

舞台のラスト、親が子供に語りかけるシーンがある。そこは解散を意識した、強いメッセージを込めていた。
ジーンとした。

色々と考えた、僕はこれから劇団を立ち上げようと考えている。
劇団、会社、結婚、組織、あらゆる共有体は、人と人で成り立つからとても有機的で継続、発展の方法に正解がない。

カーテンコールの挨拶で、「辞めていった劇団員の事を思うと、これでよかったのか…」という言葉が出た。
共有体を背負うと、今の事だけじゃなく、歴史も背負うんだなと思った。

フレックスな軽さに意識が行きがちだったが、再び、意志がぶれない事やいろんなものを抱えたり飲みこむという事に向き合う事を、
帰り道考えた。
安易じゃない、打算じゃない。

愛なんだ。
そして、愛だけじゃないんだ。

ありがとう。劇団お疲れ様でした。